新生児に知覚が未熟であるとされる件に関して

ある、エコロジー系の催しの会場で、新生児に関して、ある医師が“新生児には感覚がない”として、育種家の藤井ひらし氏より、たいへんなお叱りを受けた、という事件があった。

“赤ちゃんが生まれた時に、写真をとってもいいですか”。“新生児には視覚機能がないので、問題はありません。” つまり、フラッシュなどもフリーだということである。

これに対して、藤井氏がもうぜんと噛み付いたわけだ。動物好きで知られる氏の意見によれば、犬でも猫でも、産む時は暗闇で産んで、光を嫌う、と。それを見れば、同じ動物である人間の赤児が、光を嫌うこと、光が有害であることは明らかではないか、と。それは単に、科学的な研究がないというだけで、そのことをもって、新生児の写真をフラッシュでバシャバシャ撮ってもかまわない、ということになるはずがない、と。

医師は、現在の、科学的な知見を、科学の立場から述べただけのことで、悪意はないわけだ。

ただ、なんとなく、もしかして、新生児は、目などの外部知覚は未熟であるが、他のあり方で、外の刺激を受け取っているのではないか、と、なんとなく、考えるわけだ。

…で、最近、…あるいはいつからなのか分からないが、人間の皮膚感覚に、原始的な視覚やら味覚やらが、ある、という研究が為されてきている。

そして、赤ん坊の場合には、そのような性質をもつ皮膚~体表部により…おそらくは極めて敏感な状態で…体全体をぐるりと囲まれているわけである。

“玉のような赤ちゃん”というのは、そういう感覚であって、ふつうに見れば、なにかとてつもなく、新生児というものが、目は開いてないにせよ、敏感な、外部知覚の能力をもっていのではないか、という予測は立つわけである。たんに、科学的に実証されていない、というだけの話で。

めちゃくちゃに、フラッシュが、新生児の皮膚感覚を刺激し、とてもビックリしている可能性はあるわけだよね。