【艮】 聖場に掲げられた邪眼。うしとら。艮の金神とは。

【艮】 呪的な目的で聖場に掲げられている邪眼。聖場への侵入者がそれに怖れて退く象。

人間からすれば邪眼であるが、垂直に立ち現れたその眼は、神的なものである。それそのものが聖場より人を立ち退かせ、そのことがまたその場所が聖場たることを規定している。“艮=うしとら”とは、その方角。

有名な“艮(うしとら)の金神”。金神(こんじん)の金は金気(きんき)。“金剋土”で、金属製のスコップが土に勝り、それをたがやすことができる。鬼は“うしとら=牛+虎”の合成人格であり…ツノを生やして牛の腰巻き…これは冬(土気=どき)の象徴。

土気は重く停滞する。このぼんやりとした輪郭のない力…それがそれそのものとしてあるような起源の無いカオス的な大地の力…を剋するのは、金気としての豆。硬く凝縮化された球体、ないしは点の力である。硬い豆がそれにブチ当たって、土気としての鬼を剋する。

それは、大地は対象化できないということ、…対象化して大地の力を把握しようとすると人の意識は大地に飲まれる…硬く丸い豆のように成って、それそのものにブチ当たる、その界面に、金剋土として開かれる現場があるということ。

(土は土剋水。水を剋していたものが土。地面の扱いを誤れば、水に飲み込まれる。)

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