表相と扇について (その1)
まず、『シリウス革命』の「表相」の図の解説。
これは、要は、二つの点AとOの幅の、奥行き化、
つまり「対化の等化」の話である。(二点(対化)の観察(等化)。)
正三角形が等化だというのは、「直交性=等化」を意味している。
-引用-
まず空間観察子α1についてだが、これはユークリッド的な一つの点Oから始まる-∞方向Aへ伸びる一本の矢印のようなものと思ってもらえばいい(下図6参照)。
つまり、これが人間の知覚する空間に現れてくる最初の負荷だ。
次の空間観察子α2は、α1とは逆方向の矢印AOに相当する。
これがすなわち反映である。
そして、この二つの空間観察子は対化として認識される。
このへんは単純明解でとても分かりやすい。
そして、次に、第三の空間観察子α3は、α1、α2を等化する働きを持つ観察子ということになるが、これは、最初の出発点Oから逆方向の+∞方向Bに向かう矢印OBとなる。
この方向がなぜα1、α2によって作り出された線分の等化の働きになるのか、意味をつかみかねる読者もいるだろうが、図を見てもらえば分かる通り、オコットたちは、とりあえずα1とα2を半径とする円の外周にあるすべての点Pnを、対化を等化する位置として考える。
このとき、当然、等化のシンボルである無数の三角形が生まれるが、その中でも最も重要な位置として、この三角形が一本の線分のようにつぶれてしまう点Bへの方向を、等化作用が集約された場所としてとらえているようなのだ。
僕らは、等化というと、普通正三角形のイメージを抱くかもしれないが、実際、この点Bは、対化であるα1とα2の観察子を底辺に持った二つの正三角形△AODと△AOEの二つの頂点、点Eと点Dの関係を等化するポイントに相当している。
その意味からも、α3が点Oから点Bへの矢印OBとして定義されるというのは、かなり深い意味を考慮してのことと思われる。
次に現れるα4は、α3の反映だから単純だ。当然、それは3とは逆方向の矢印BOとなって表される。
そして、これらα-1~α4までをψ1における表相と呼ぶ。
これはユークリッド幾何学における「線」と同じものだが、注意してほしいのは、僕らが単なる1次元の線分として見る次元の中に、オコットたちは、このような四つの区分を与えていることだ。
彼らにとって方向性という概念はとても重要な次元的要素なのである。
(『シリウス革命』p.174)
-引用-
この表相の図式が、扇子の元祖だというビロウ扇と似ている。
吉野裕子さんは、ビロウ扇は「蛇」であるといい、この蛇がニュアンスするものは、
おそらく「四次元空間」としての「エーテル空間」である。
それは図では、「方向性」としての矢印OBで示されていると考えられる。