蛇にまつわる太陽の喩えに関して

蛇にまつわる“太陽”の比喩。黄金の蛇がかまくびをもたげるのは、いわば「内なる太陽」へと新たな意識が方向付けられたからであり、それは、その意識が脱皮し新生したがゆえであろう。

そのあらたなる方向性の発起とは、内なる新たな太陽へと向かい、1本の直線のごとき光のあり様となり、いよいよその方向性に迷いをもたない。

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・おこる〔起・興〕自動詞「起く」の派生形。「行ふ」と同根。起きた姿勢で行為することをいう。

・おこたる〔怠・倦〕 「おこ」は「行ふ」「起る」と同根。継続的になされている行為が、ある段階から低下してくることをいう。「起る」「興る」に対して、逆の方向にあること。

・おこなふ〔行・挙〕 身を起こして行動する。元気にことを為すことを言う。「おこ」は「起(おこ)る」「興(おこ)る」と同根。また「息(いき)」の母音交替形であるから、活動的にたちはたらく意である。「おこなひ」はその名詞形。(字訓/白川静

「おこ」は「息」の母音交替形で、息をはずませ、気力を振い起して、ことにとりかかることをいう。漢字の「おこなふ」と訓する字が、行くこと、前進するという実践的行為的な意味をもつものが多いのに対して、国語は深く息づき、気息をはげますという感性的な性格の語を基調としている。

【起】巳(し)声。金文・篆文の字形はすべて巳に従っており、それならば蛇が頭をもたげてゆく意である。坐して起(た)つときの動作をいい、それよりすべてことを始める意となる。[訓義]1.たつ、たちあがる、おきる。2.ことをはじめる、つくる、たかまる。

※画像:(字通CD-ROM版)

 

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